経営ビジョンにおけるDXの位置づけ
独自の技術力、サイエンス力を核として「ヘルスケア産業のトップイノベーターになる」という全社ビジョンにおいて、デジタル技術は「社会・産業を変え、中外製薬を変えるゲームチェンジャー」と位置付けられます。
2030年までに起こる社会変化、機会とリスクを見据え、「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」を策定。Dxによって中外製薬のビジネスを革新し、社会を変えるヘルスケアソリューションを提供するトップイノベーターになることを
目指しています。
ビジョン実現に向けた3つの戦略
1.デジタルを活用した革新的な新薬創出
「AI × デジタルバイオマーカー× リアルワールドデータ(RWD)」を
活用し、真の個別化医療を実現します。
【AIを活用した抗体・中分子創薬】
AIやロボティクス等の技術活用で、革新的新薬の創出の成功確
率の向上、開発期間及びコスト削減を実現。既に抗体の最適な分
子配列の取得が可能となり、中分子薬へも応用開始しています。
【デジタルバイオマーカーへの取組】
ウェアラブルデバイスを用いて子宮内膜症の患者さんの痛みを可
視化する革新的な医療ソリューション等の開発を目指します。
【RWD利活用への取組】
様々なRWDの解析を通じた、承認申請戦略の拡大、臨床開発
戦略の刷新、実臨床におけるエビデンスの高度化を推進します。
2.すべてのバリューチェーン効率化
デジタル技術を活用し、バリューチェーンに関わるすべての部署・機能、特に生産・営業プロセスの大幅な効率化を目指します。営業プロセスでは、顧客データの統合的な解析を通じ、顧客体験を高める新たなソリューション開発にも着手します。
3.デジタル基盤の強化
人財の強化や組織風土改革等のソフト面、AWSを活用したデータ利活用基盤等のハード面の両面からデジタル基盤構築を目指します。ロシュ・グループと連携し、社内の各種データの統合や解析基盤構築を通じてグローバル水準の IT 基盤を確立します。
コロナ
在宅勤務対応として、VPNを従来の2,500から7,500回線まで増設。緊急事態宣言期間中は外出を伴う会議や出張は原則中止とし、 4-5月は本社社員の98%が在宅勤務を実施。経営会議等を含めたあらゆる会議をオンラインに移行しました。
医療関係者への情報提供活動として、複数のオンラインツールを組み合わせることで、情報共有やニーズの把握などを円滑に行う体制を短期間で構築しました。